2005年8月31日
うまみの発見
味覚細胞が重なり合って、花弁のように盛り上がっているところから味蕾(みらい)と名づけられた。味の感覚と脳に伝える役目を引き受けている。
人間の味蕾は1週間か10日で消耗し、新しいものと交代する。45歳を過ぎると交代のテンポが鈍る。味覚が最も敏感なのは赤ん坊で、赤ん坊の口の味蕾の数は大人よりも多く、そのうちのいくつかはほおに点在している。赤ん坊が顔中口にして「うまうま」というわけだ。
以前は、[味蕾の感じる味覚は大別すると4種類ある]というのがこれまでの欧州の定説だった。甘い・塩辛い・酸っぱい・苦いの4つ。ドイツの学者は4原味と呼んでいた。しかし、日本の科学者はもう一つ、第5の味覚があると主張していた。“うまみ”である。
1999年、米マイアミ大学のS・ローパー博士は味蕾の中にグルタミン酸ナトリウムと結合する受容体があって、うまみの信号を脳に伝えていることを突きとめたという。うまみのもとがグルタミン酸ナトリウムであることを最初に発見したのは、池田菊苗博士でだった。
1907年、妻が1束のだし昆布を買ってきた。昆布のうまみは何だろうとと気になった博士は、10貫(37.5キロ)の昆布を大学の実験室に持ち込み、煮詰めて成分を分離してみたが、みつからない。残った液の中にうまみの正体、グルタミン酸をナトリウムで中和すると、うまみがさらに強くなることもわかった。
池田博士の発見は「味の素」として商品化された。20世紀はじめ、日本の科学者が発見したうまみが、20世紀最後の年に米国の科学者によって理論的に裏付けられたのだから意義深い。
「新しいごちそうの発見は、人類の幸福にとって天体の発見以上のものである」
・・・・フランスの美食学者・ブリヤ=サヴァラン(美味礼賛)
カクテルにとっても、この“うまみ”が非常に大事です。
酒のうまみ、副材料(ジュース類等)のうまみ・・・・。
素材をよく理解し、使いこなすことも技術です。
投稿者 vespa : 2005年8月31日 17:00