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2010年2月 5日

飲育

前回、「食育」の中で次回は「飲育」という話をしていましたのでお約束どうり、お話させて頂きます。
随分と以前から、とりあえず「ビール」というのに疑問を持ちながら時間が経ってしまいました。
私の店「BAR-VESPA」では、アフターファイブとして、午後5時よりOPENしています。
キャッチコピーも、「BARは5時から、いくつものドラマのはじまるバーの扉は午後5時に開きます。」というものです。
約30年前の開店当初から、午後5時から開けています。
しかし、5時から、お客様が来店されることは少なく、どうにかしてナイトライフのスタートをBARからして頂きたく苦心しています。
本来、なぜBARが5時から必要かと申しますと、お昼のお仕事の方が5時に仕事を終え、仕事の中での嫌な出来事を家に持って帰らない。
BARに立ち寄り、グラスの中に捨てて帰る。または大切な方と食事をする場合の待ち合わせなど。
多様ではあるが、昼と夜との切り替わりにBARの存在があると言ってもよいしょう。
「飲育」から話がずれたようですが、先日、お昼に知り合いの開店した寿司屋さんへ行きました。
混んではいたが、端から三つ目の席に座り、日本酒を注文しました。そこへ、隣に男性が一人来られた。
注文を聞く前に、「生ビールを下さい。」
私からしたら、とりあえずビールのお客様が来たという光景である。
そのあと、何がきっかけでもなく、お隣さんと話を始めました。
「お宅は、始めから日本酒ですか。」
「はい、私は日本酒です。」
「あなたは、生ビールですか。」「はい、いつも最初は生ビールですね。」
「お宅は日本酒ですか。」「いいえ、いつも日本酒からというわけではなく、和食という料理に合わせたものですから」
「あなたは和食はビールですか」「いいえ、喉が渇いていたものですから」
「あーそうですか、料理に合わせられたんではなく、喉が渇いていらしゃったからなんですね」
「そうなんですが、あーついつい、料理に合わせるというより、そのままビールでやっちゃいますね」
「そうか、和食の料理に合わせるんだったら、日本酒が美味しそうですよね」
「私は洋酒を扱うバーテンダーという仕事をしていますが、和食には日本酒が合うと思っています」
「そうですよね。改めて考えて見ると日本酒が美味しそうですね」
「私にも、こちらのお客様と同じ銘柄の日本酒をください」
「いやー、お刺身には、この日本酒はいいですね」
「何か、今まではとりあえずビールという、ワンパターンな食事になっていて、気がつきませんでした。」
「ありがとうございます」「この次から、とりあえずビールをやめて料理にあった、お酒を選んで飲んでみますよ。」
このあと、話は盛り上がり、お昼のCLOSE、3時まで楽しい時間でした。
このように、喉が渇いたんであればビールは美味しいと思いますが、ほとんどのお客様が料理に合わせてチョイスをしているのではないようです。
喉が渇いたんであれば、料理屋さんではなくBARなどで飲んで料理屋に行く。
そして、料理に合った飲み物をチョイスすることがベストではないかと思います。
最後に食前酒というカクテルや酒を扱うバーテンダーが、午後5時という食事前の時間に開店していないことも
「飲」という文化の欠落につながっているのではないでしょうか。
「飲」は脇役ですが、「飲」に始まり「飲」で終わる。そして、料理をエスコートしていく。
そのように最初と最後を飾り、ドラマチックな役割を持っていることを認識して欲しいと思います。


                                               媚山 達己



投稿者 vespa : 2010年2月 5日 17:00

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